インプラントはわかるが根管治療って何?って思われている方が殆どではないかと思います。
※根管治療とは、重度の虫歯などで細菌に感染した歯の神経(歯髄)や血管を取り除き、根の内部をきれいに洗浄・消毒して薬を詰める治療法です
日本の根管治療の成功率は30から50%と言われているが失敗すればどうなるのか?

文章を書くより見てもらった方が早いので写真を見てください。
CT画像ですが骨に大きな穴が空いているのはお分かりでしょうか?
これが根管治療の失敗である。
右上の前歯の神経の処置をされて失敗し当医院に来られた方です。
前医では異常がないと言われたが歯に触れると鼻の下に違和感があるということで来院されました。
前医はCT撮影していなかった為に病変に気付かなかったのであろう。
CTを撮れば一目瞭然とんでもない大きさの病変が認められる。

これが当医院で治療後5ヶ月後のCTである。
大きな穴が空いていたところが治癒してきており大きな穴が殆ど閉じてきているのはお分かりでしょうか?
根管治療に失敗すると根尖性歯周炎という病気ができてしまうのである。
しかしながらこの病気は歯医者が作った病気であり逆に言えば歯医者が治療しなければ生じない病気である。
年に一度歯科医師会の休日当番が回ってくるのだが、そこに来られる患者さんの殆どがこの根尖性歯周炎が急性化し痛くて寝れなかったり顔が腫れて来院されている。
この歯は前歯でありそんなに難しい治療ではない。

この方は被せ物の脱離であったのだが、神経の入っている根管とは異なるところに根充剤(細菌の侵入を防ぐために詰める薬剤)が入っていたので、今後病変にならない様治療をやり直し元の根管にきっちり根充したケースである。

厄介なのはこのように治療に使う器具が根管内で破折しており、根尖には大きな病変がある場合である。
歯科治療の中で根管治療が最も難しい治療と言われている。
その根管治療の中で最も難しい治療が破折片除去である。
※破折除去とは、主に歯科の根管治療(神経の治療)において、歯の根の中に折れて残ってしまった専用器具(ファイルやリーマーなど)の破片を取り除く処置
治療後

見落としの根管もあった為に全ての根管を洗浄しMTA(歯科用セメント)にて根充を行った。
まだ術後のCTは撮影できていない為今後報告していく予定である。

この方は根尖性歯周炎が急性化した為とんでもない痛みの強さだったみたいで、すぐ治療して欲しいということで治療を行った。
1年後のCTで根尖透過像(歯の根の先端(根尖)部分に写る「黒い影」のこと)及び上顎洞粘膜肥厚(頬の奥(上あご)にある空洞「上顎洞」の内側を覆う粘膜が、炎症などにより腫れて厚くなる状態)も治癒している。
この様に根管治療が原因の場合必ず治癒出来るであろう。
根管治療が原因で抜歯になるケースは僅か2パーセントである。
しかしながら根破折(歯の根の部分(歯根)にひびが入ったり割れたりしてしまう状態)や歯周病の場合は残念ながら抜歯になるケースも少なくない。

1日でも長く残したいという強い希望がありましたが、グラグラで残す方法がなかったので抜歯をさせていただきました。
が、抜く前に親知らずを移植すればというのが頭にあったので抜歯後親知らずを掘り出して移植を行いました。
ご自分の歯で噛めているので満足されたのではないでしょうか?

この方も残したいという事でしたが同じくグラグラで抜歯をしました。
その後の治療法は矯正で抜歯した歯の位置に奥の歯を2本引っ張ってきました。
時間はかかりましたが納得されたのではないでしょうか?
この様に抜歯になるケースも当然ありますが最善の方法を提案させていただきます。
当院の症例を少し報告させていただきましたが、根管治療について少しはお分かりいただけましたでしょうか?
