結論から申し上げますと、保険で受けられる治療は後進国レベルです。
日本の歯科医師のレベルは医院によって全く異なります。
簡単な話、大学を卒業して全く勉強もせず、一生歯科医院を経営することも可能です。
全く知識がなくても話術さえ鍛えれば、患者さんは”上手で優しい先生”といった印象を持ちます。
しかし、行われている治療は教科書レベルにも達しないという事があることをご理解いただきたい。
” 日本における自由診療 = 歯医者の金もうけ・高額 ” というイメージになっています。
しかしながら根管治療の場合、最新で最良の情報を得るために日本で世界レベルの勉強をするには高級車1台分くらいの費用がかかります。
それに伴って必要な機材を揃えると、家一軒分くらいの設備投資が必要となります。
しかし保険治療でそのような投資をすればどうなるかは明らかです。
例えば卒後1年目の歯科医師というのは、口の中に全く触れずに国家試験を受け、合格すれば診療が可能になります。
国家試験に合格し、4月になると病院勤務が始まります。
香川医大で勤務していた時、エレベーターの中で患者さんが「またこの時期が来た」と話をされていました。
採決点滴などの注射を「何度も失敗されて蜂の巣や」と言われていたのを今でも思い出します。
要するに、知識だけを身に着けて何もできない状態が卒後何年か続くのが現状です。
しかしながら技術の差は保険治療には全く考慮されないのです。
1年目の歯科医が行っても最高の技術を持った歯科医が行っても保険では同じ点数なのです。
潰れないためにはもちろん、安い材料で短時間で出来る治療を行わなければなりません。
例えば抜歯をする場合、経験のある医者が行えば3分で終わる治療を1時間かかって抜歯しても点数に変わりはないのです。
保険治療で最新最良の治療が受けられるなら、レベルも上がるし歯の寿命も延びると思います。
しかしながら医療費が今後増えるのは医科の方だけで、歯科はどんどん削減されるのではないでしょうか?
患者さんには、”ご自分の歯はご自分で守らないといけない”ことを知ってほしいと思います。
先日来院された方はよく勉強をされていて、1本の歯の治療ですが質問が止まらなくて1時間説明させて頂きました。
これが本来の患者さんの姿ではないかと思います。
もし、”手や足を切断しないといけない” とお医者さんに言われたら、色々なことを調べると思います。
歯も同じく体の一部です。
”歯一本くらい” という考えを捨てて、大切に守っていく治療をしましょう。
宜しくお願い致します。